「牧場物語 オリーブタウンと希望の大地」感想

シリーズ最新作「牧場物語 オリーブタウンと希望の大地」が発売されました。

私はとても楽しく時間を忘れるほど没頭して遊んでいますが、TwitterAmazonのレビューを見ると酷評レビューが多かったので、楽しんでいる派として「こういう理由で酷評なのではないか。でもそういう作りになっているのは、こんな意図があるのではないか」といった観点で感想を書きました。

「文章長すぎるよ!」という方は、最後の「まとめ」だけでも読んでいただけると嬉しいです!

ちなみに、現在プレイ3日目で、1年目なつの19にちです。

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■結論

今回の作品は、合う人合わない人がはっきり分かれるゲームであり、過去作品をやったことがない、もしくはあまり楽しめなかった方々へ向けた作品だと感じました。

そのため、これまでの牧場物語シリーズを「恋愛シミュレーションゲーム」として楽しんでいた方や、作物を育てることや動物の世話など、少々面倒ながらもやりがいのある『牧場』経営を楽しんでいた方には合わないと思います。

 

ちなみに、私が過去作品でプレイしたのは

「GB3 ボーイ・ミーツ・ガール」「ミネラルタウンのなかまたち」「はじまりの大地」「つながる新天地」「3つの里の大切な友だち」「ふたごの村+」「再会のミネラルタウン」、

やりこんだのは

「GB3 ボーイ・ミーツ・ガール」「つながる新天地」「3つの里大切な友だち」

早々にやめてしまったのは「はじまりの大地」「ふたごの村+」、

類似の他作品は、「ルーンファクトリー4」「Stardew Valley」「きみのまち ポルティア」もプレイしてドハマりしました。

 

では、今作「オリーブタウンと希望の大地」について詳しく書いていきます。

 

■住民との恋愛要素について

多くの方が書かれていますが、この要素をかなり薄くしたこと(極端に言えば、おざなりにしたこと)が酷評されている大きな理由だと思います。

住民の立ち絵がなく最初は誰が誰なのか、どういう人物なのかの把握が難しかったり、住民のセリフが一様にみんな同じようなものだったり、好感度が上がってもセリフの内容に変化がなかったり、私自身、「牧場物語=牧場経営をしながら恋愛をするゲーム」として楽しんできたので今回の作品で一番驚いた点です。同じように「恋愛シミュレーションゲーム」として楽しんできた方は少なくないと思うので、そういった方々からは酷評されて当然だと思います。

一方で、今回の作品は「自分自身の道具や家、土地をどんどん発展させていき、自分だけの牧場をつくる」ことがメインのように感じました。ある程度メーカー類を量産でき、マップが広がるまでは思い通りの牧場をつくるまでにとにかく作業が多いため、住民との交流要素が厚いと「開拓もやらなきゃ!でも住民の好感度も上げなきゃ!」でストレスが多くなっていたと思うので、ゲームバランスを見て住民との交流要素を薄くしたのではないでしょうか。

今回は「住民との交流・恋愛」よりも「土地の開拓・牧場のレイアウト」の方に重きをおいたということであれば納得はできます。

ただ、住民と仲良くなっても料理レシピを得られるわけでもなく、マップが広がるわけでもなく、セリフも似たようなものばかりため住民と交流する理由がなく、「お店を開いていない住民、必要ですか?」と思ってしまいました。

 

■○○メーカーについて

これも今回の作品で驚いた点です。

「きみのまち ポルティア」ほど大変ではなく(個人的に、「ポルティア」はメーカーを使いこなしてクエストをクリアしていくのが難しすぎて、攻略を見ながらプレイしないと楽しめませんでした)、また、○○メーカーがかなり場所をとるので「Stardew Valley」ほど快適ではないという感じでしょうか。

store-jp.nintendo.com

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今作「オリーブタウンと希望の大地」のメーカーに関しては、設置するのにかなり場所をとり、1つのメーカーで大量生産できないため(ゲーム内時間の)数時間おきに生産物を取り出す&次の材料を入れるを繰り返す必要があるため、使い勝手は悪いです。

ただ、開拓を進めてマップを広げ、メーカーの設置数を増やし、安定的に生産できるようになればそんなに気にならなくなりました。

また、「絶対次はこれを作ってくださいね」というミッションがないので、「まずはあの建物の解放を目指そう!」とか「道具をアップグレードして、それから鉱山にもぐって資材を集めまくって、家を増築しよう!」とか、自分なりに考え自由に遊べて楽しいです。

それでも作業は作業なので、好き嫌いは分かれると思いますが。とはいえ、個人的には毎日毎日畑に水をやり続ける、ブラシや毛刈りバサミなどの道具を切り替えながら動物の世話をする、動物を押し出して放牧する、といった作業よりは気楽だし楽しめています。

 

■畑、動物の世話について

畑に関してはスプリンクラーをいくつも設置することで水やりの手間がなくなり、動物の放牧に関してもベルを鳴らすだけで完結するのでとても楽です。「動物とのふれあいが薄い」といった感想もあるようですが、私は気になりませんでした。

このように、畑や動物の世話を簡素にしたことからも、「今回は『開拓』や『牧場の自由なレイアウト』を楽しんでね」という制作側の意図を感じました。

とはいえ、手間をかける必要がなくなったので畑や動物に愛着がわきにくいという点は否めず、「『牧場』という冠をつけているゲームとしてはいかがなものなの?」という気持ちにはなります。

 

■鉱山について

○○メーカーがあり、開拓に比重がおかれている以上、「牧場物語」ではなく「採掘物語」になるのは必然ですね。

「Stardew Valley」にはエレベーターがありますが、今作「オリーブタウンと希望の大地」にはエレベーターがありません。そのため、毎回階段でくだっていく必要がありますが、ハンマーをグレードアップすれば広範囲の岩を砕けて爽快感もあるので苦ではないですし、ざくざく鉱物を掘り出せるのは楽しいです。

攻撃してくるもぐらに関しては、邪魔ではありますが、主人公の体力(ハート)を精霊さまのところで増やせば体力ゲージに余裕ができ、階段をくだっている最中に「体力が減りまくってやばい!帰らなきゃ!」みたいなことにはならないのでそんなに気にならなかったです。「Stardew Valley」と違い、「食事をたくさん持って行かないと大変なことになる」ということはない気がします。

 

■その他システム面について

マイナス面としては、移動のたびにロードが入る、博物館で鑑定をしてもらうたびに暗転が入る、食事シーンが飛ばせない、料理を1つずつ作る必要があり大量生産できない、マップを見るのに手間がかかる、などがあげられますが、個人的には慣れてしまえば気になりません(これらにストレスを感じる方がいるのは当然ですし、プレイヤーのことを考えたら正直もう少しどうにかできなかったのか?という思いはあります)

 

■まとめ

今作「オリーブタウンと希望の大地」は、住民との交流や恋愛要素をかなり薄くし、代わりにマップの開拓や牧場を自由にレイアウトして作り上げていくことに重きがおかれています。

「過去シリーズのファンに、今までと変わらない作品を提供することで楽しんでもらう」というより、「最近のゲームに馴染みがある新規プレイヤーを開拓したい」という思いで制作されたように感じました。また、発売前にヒカキンさんがプレイ動画をあげられていたことから、プレイ動画は見ていないので推測になりますが、「現代の子どもたちにもプレイしてほしい」という意図もあるのかなと思いました。

私も過去作品では作物や動物の世話や手間をかけての品質の向上、住民との交流や恋愛を楽しんでプレイしてきたので、今作の方向性に関して、残念に思う気持ちはあります。また、エキスパンションパスで過去作品のキャラが恋愛候補として追加されることは楽しみではありますが、今作において住民との交流要素が薄いことを考えると、追加に関して不安もあります。

しかし、個人的には過去作品のリメイクをたくさん作ってもらうより、オリジナル作品を作ってもらえる方が嬉しいです。

 

 過去作品とは制作陣が変わっている、などといったことはプレイヤーには関係のない話ですので、「牧場物語」というシリーズ名を冠する以上、過去作品の好評な点は踏襲してほしかったという思いもあります。今作は、シリーズ作品の生き残りのため、最近のゲームシステムに寄せたり新規プレイヤーの獲得に舵を切ったりしているように感じました。

しかし、今作の売上やプレイヤーの声によっては、今後この方向性でいくのか、過去作品の方向性に戻すのかが変わってくるのだと思います。今後オリジナル作品が制作されるのかはわかりませんが、私は今作「オリーブタウンと希望の大地」を楽しんでプレイしていますし、まだまだこの「牧場物語」シリーズをファンとして追っていきたいと思います。